どの惑星の影響を受けるか?(惑星年齢域)
西洋占星術には【惑星年齢域】という
考えかたがあります。
発達年齢域ともいわれます。
ホロスコープを、地球上で、
心と身体をととのえていくための
設計図とみなす。
そして、年齢によって、
影響される天体が変わっていく、と
読みとるのです。
ある年齢域になると、
対応する天体のテーマが深まる。
太陽系は、太陽を中心として、
水星、金星、地球、
火星、木星、土星、
天王星、海王星、冥王星という
惑星(準惑星)から構成されています。
この9天体に月を合わせて、
それぞれに対応する年齢域が
設定されています。
太陽系というシステムに、
人間というシステムを、
対応させて構成する。
太陽がある星座のテーマは
生涯つづいていきますが、
太陽系の天体に対応させた
10の属性を発達させて、
構築していくというイメージです。
惑星年齢域 | 年齢(おおよその範囲) | 概要 |
---|---|---|
月期 | 0~7歳(小学校入学前まで) | 胎児期~幼児期 |
水星期 | ~15歳(思春期前まで) | 児童期~思春期 |
金星期 | ~25歳 | 思春期~モラトリアム~青年期 |
太陽期 | ~35歳 | 青年期(アラサー世代) |
火星期 | ~45歳 | 初期成人期(アラフォー世代) |
木星期 | ~55歳(~57歳とも) | 成人期(アラフィフ世代) |
土星期 | ~70歳ごろ | 成熟期(還暦前後) |
年齢域は目安で、
個人差があるでしょう。
始まる年齢も、終わる年齢も
その人の人生によって異なります。
また、ある年からかちっと、
次の年齢域が始まるのではなく、
次の年齢域を予測させる出来事が
手前の年齢域の時期に
起こってくることでしょう。
年齢域は、伝統的な占星術から
存在する考え方です。
現代は、伝統的な占星術が想定した
人生とは、
寿命も、ライフステージも
ずいぶんと異なっていますから。
エリクソンの心理社会的発達段階
ドイツに生まれ、アメリカで活躍した
心理学者のエリクソンは、
人のもつ自己の形成について注目し、
発達の各段階での発達課題を提唱しました。
段階 | 心理社会的発達段階(危機) | 活力(徳) | 重要な他者 |
---|---|---|---|
乳児期 | 基本的信頼 VS 不信 | 希望 | 母親 |
幼児前期 | 自律性 VS 恥・疑惑 | 意志 | 両親 |
幼児後期 | 積極性 VS 罪悪感 | 決意 | 家族 |
児童期 | 勤勉性 VS 劣等感 | 有能感 | コミュニティ・学校 |
青年期 | 自我同一性 VS 同一性の拡散 | 忠誠 | 仲間集団、チーム |
初期成人期 | 親密性 VS 孤独 | 愛 | 友情、性、競争、協力 |
成人期 | 世代性 VS 停滞 | 世話 | 配偶者、こども |
成熟期 | 統合性 VS 絶望 | 英知 | 「全人類」「わが一族」 |
心理的な発達段階と各段階での
発達課題を知っておくと、
惑星年齢域を有効に活用できるでしょう。
年齢に相応しい発達段階の課題を
自分なりに消化して達成できていないと、
心理的に不安定な状態になったりします。
人生について、不安が多い状態です。
惑星年齢域を活用し、
心を発達、成長させながら、
人生を進めていけるといいですね。
太陽期までは出発期(人生のステージ)
カバラ数秘術では、
人生のステージを想定します。
人生を4つの時期に区切って、
それぞれの期間の
頂点数と試練数を算出します。
この4つの時期が
惑星年齢域に対応しています。
第1期の終了年齢は、
誕生数によって異なります。
誕生数とは、生年月日すべてを足して
求めた数秘です。
終了年齢の基準は「36歳」
これは、ちょうど、
惑星年齢域の太陽期の終わりと
一致しています。
期間 | 内容 | 年齢 | 誕生数1の場合 | 誕生数9の場合 |
---|---|---|---|---|
第1期 | 出発期 | ~(36歳ー誕生数 | 36-1=~35歳 | 36ー9=~27歳 |
第2期 | 発展期 | 次の9年間 | 36~44歳 | 28~36歳 |
第3期 | 充実期 | 次の9年間 | 45~53歳 | 37~45歳 |
第4期 | 完成期 | 充実期の翌年~ | 54歳~ | 45歳~ |
出発期は、
太陽星座のテーマを生きるための
準備の期間です。
出発期は、
誕生数が数秘1なら35歳まで、
誕生数が数秘9なら27歳までと、
幅があります。
数秘術の人生のステージと、
惑星年齢域の簡単な対応表は
こちら。
惑星年齢域 | 年齢 | 第1期 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
---|---|---|---|---|---|
月期 | ~7歳 | 第1期 | |||
水星期 | ~15歳 | 第1期 | |||
金星期 | ~25歳 | 第1期 | |||
太陽期 | ~35歳 | (第1期) | (第2期) | ||
火星期 | ~45歳 | 第2期 | (第3期) | (第4期) | |
木星期 | ~57歳 | 第3期 | 第4期 | ||
土星期 | 58歳~ | 第4期 | |||
天王星期 | *世代天体 | 第4期 | |||
海王星期 | *世代天体 | 第4期 | |||
冥王星期 | *世代天体 | 第4期 |
数秘術では、それぞれの期間の
頂点数と試練数を求めます。
惑星年齢域の星座とハウス
人生のステージの頂点数と試練数
これらの情報を
合わせてみていくと、
それぞれの期間のテーマと
方向性が、浮かびあがってくるでしょう。
もちろん。
太陽星座のテーマと、
誕生数の数秘のテーマは、
人生のすべての期間の
大きな流れを形作ります。
*
太陽期(第1期)までで、
人生の輪郭がおおまかに感じられる。
火星期(第2期)は、
社会との葛藤が起こります。
自分を発現していくために、
ややもすれば戦闘モード(=火星)で
世界に挑戦するからです。
もがくのはここまで(にしておくとよい)
木星期、土星期は、
自分の社会貢献のスタイルが、
ほぼ確立していく時期です。
自分の個性に十分に
注目できたとして、
私たちは社会の一部です。
社会から何を期待され(木星)、
社会へと何を還元できるのか(土星)。
社会へと、どんな影響力を
広げることができるのか?
土星期は、
自分の人生の意味を、全体像を、
あらためて問い直し、再定義し、
必要ならば人生の再構築して、
自分を社会という土壌へと同化させていく。
自分が、世界をどう語るのかで、
自分の世界をつくっていく。
自分の世界(の実感)を変える。
0~7歳 月期 (*感情、無意識)
生まれてから幼児期にかけて、
影響を受ける天体は「月」
世界を受けとり、感じとる時期。
性格の基礎が形作られ、
感情表現を学んでいきます。
養育者の影響のもと、
遺伝的に引き継いだものを
経験していく。
幼児期健忘といって、
三歳までの記憶がない人は多いですが、
三つ子の魂百まで。
ここで得た情報は潜在意識へと
刻まれていきます。
心の奥底に認知の基礎となる
人生脚本がしまいこまれていきます。
*
この時期に、豊かな感性、
ゆるやかな自尊心、好奇心、想像力などが
育まれていると、
大人になってからの折れない心、
しなやかなレジリエンスが成立します。
世界を安心安全な場所と
感じられたかどうか。
人にふれて、愛着形成をしたか。
人間としてのコアな部分が
育まれていく時期。
8~15歳 水星期(*知性、コミュニケーション)
「水星」は知性を育みます。
どのように考えるか、理解するか、
そういった思考形式もこの時期に整形されます。
この時期に、メタ記憶、メタ認知が
育まれていきます。
どれだけ思考したか、記憶を試みたか。
そういったことが、
知性の基盤として、形成されます。
記憶は、数珠繋ぎのネットワーク、
体系化していく知識なので、
この時期に豊かな基盤が築かれていると、
後に、知性がどんどん広がっていきます。
知性にとって大切なのは、聴覚。
聴覚障害児さんを中心とした聾学校では、
幼児期から、聴覚を補うために、
教育の現場に保護者が参加します。
聴覚から得られないものを、
学校でもご家庭でも、一貫して、
育んでいくためです。
*
そして、言語による、
客観化、抽象化をとおして、
世界の概念が築かれていきます。
すべて自分目線だったものが、
他人の目線、客観性を修得していく。
コミュニケーションが成立する。
原因と結果を理解する。
論理力が築かれる。
自分が理解した世界、
自分が理解した他者へと、つながっていく。
第二次性徴を経て、思春期を迎える前後。
小学生から、中学生の時期。
16~25歳 金星期(*美意識、好きなもの)
肉体的な性別を意識しながら、
美意識、理想の自分を育んでいく時期。
第二次性徴を経験し、
セクシュアリティについての体験や
試行錯誤がやってきます。
何がうつくしいか?
何が楽しいのか?
何がすきなのか?
どんな風に味わうのか?
世界を味わいながら、
感受性を育んでいきます。
自分について
知的に理解していることをベースに、
自分の理想を言語化することをしていきます。
思春期の後半から、
高校生、大学生の時期。
ロマンス恋愛をとおして、
自分の理想を相手に投影しながら
体感していくことも。
*
現代では、
性自認が多様になっていることもあり、
理想が揺れ動き、
定まらないこともあるでしょう。
アイデンティティ・クライシス。
アイデンティティ(自分とは?自我同一性)の
危機(クライシス)。
子どもから大人へ。
アイデンティティに取り組んでいる
過程をモラトリアム(猶予)といいます。
25~35歳 太陽期(*人生のテーマ、方向性)
社会人となり、
自分の太陽星座(星占いの星座)の
テーマを実感しはじめる時期。
まだ、アイデンティティが確立せず、
大人へのモラトリアムが続き、
これがやりたいことじゃない、と
試行錯誤もあるかも知れません。
太陽星座のテーマは
人生の方向性。
太陽星座のテーマを意図していれば、
おのずと、
必要な出逢い、ことがらが
引き寄せられてきます。
*
太陽星座は、
ジオセントリック(地球中心)
占星術の概念です。
ヘリオセントリック(太陽中心)
占星術では、
太陽から地球をみる、
地球星座という概念があります。
地球星座は太陽星座のオポジション
(=180度反対)の星座です。
地球星座のテーマは、
地球に生まれてくる以前に、
習熟している、という考え方があります。
太陽星座のテーマに取り組むとき、
オポジションの星座側から取り組むことも
一案ですね。
太陽星座 | 地球星座 | 共通テーマ |
---|---|---|
牡羊座 | 天秤座 | 自発的な、超然とした |
牡牛座 | 蠍座 | こだわり、一体感、体感・質感 |
双子座 | 射手座 | 好奇心、楽しみ、かろやか |
蟹座 | 山羊座 | 家庭的、家父長的、面倒見のよい |
獅子座 | 水瓶座 | 独自性、オリジナリティ |
乙女座 | 魚座 | 他者との関係、協調性 |
天秤座 | 牡羊座 | (牡羊座と同じ) |
蠍座 | 牡牛座 | (牡牛座と同じ) |
射手座 | 双子座 | (双子座と同じ) |
山羊座 | 蟹座 | (蟹座と同じ) |
水瓶座 | 獅子座 | (獅子座と同じ) |
魚座 | 乙女座 | (乙女座と同じ) |
35~45歳 火星期(*行動様式、情熱のありか)
軍神マルス。
火星は行動を選択する「情熱」
熱量を帯びた、戦いの天体です。
自分が世界に向かって、
主張したいことは何か?
自分の行動を、世界に向かって放つ、
認知承認をもとめる、そんな時期。
アラサーの時期ですね。
自分にとって譲れないものを、
発見、再認識する時期です。
太陽星座と親和するものであれば、
自分らしさが深化、発展していく。
太陽星座と葛藤をなすような場合、
強い自己否定、自虐になる場合も。
ここで再認識した「自分らしさ」が、
次の木星期の拡大発展のベースになります。
45~57歳ごろ 木星期(*可能性、期待される役割)
拡大・発展のエネルギーを帯びた
木星。
火星期までに、
しっかりと自分のトリセツ(取扱説明書)を
腑に落とせていれば、
社会への本格的な貢献が
はじまる時期です。
アラフォーからアラフィフの初期。
職場でも、管理職として、
チームをまとめるリーダー的な
役割を期待されたり。
社会人として円熟してくる時期。
自分はこんな人という、
自己認識(自尊心)があると、
それにそった役割が「期待」される。
木星は、射手座のホーム。
高い精神性をひらいてく天体です。
金星期、火星期に、
自分らしさ、自分なりの美意識を
育んでいないと、
金星期のような恋愛や
火星期の衝動のような体験を
引き寄せるかも知れません。
57~70歳ごろ 土星期(*社会貢献、人生の意味)
拡大・発展した木星期に次ぐ
土星期。
土星は、制限・限界をあらわし
社会的な基盤システムそのものも
体現している天体です。
天王星たちが発見されるまでは、
太陽系の果て。
ここを突破すると、外宇宙へ。
木星期の勢いのまま、
社会システムの変更に
かかわることもあるでしょう。
還暦をはさんで、
人生を総括し、
残りの人生で何をやり遂げるのか、
人生を見つめ直して、
生き直す時期です。
世代天体について
天王星、海王星、冥王星は、
世代天体です。
公転周期が長く、
天王星星座が同じ、
海王星星座が同じ、
冥王星星座が同じ人たちは、
同世代として、
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